およそ500年前にイタリアで考えられたものです。
その後、科学や技術は発展したのにも関わらず、このT字スタイルは
ずっと進歩がなく今に至っています。
「貸借対照表」
「損益計算書」
「製造原価報告書」
「キャッシュフロー計算書」
このように何種類かに分けて表示されている財務諸表を見て、全体を
理解できる人は、一部の専門家を除けばゼロに等しいのではないでしょ
うか。
これに対して、マトリックス会計は、借方・貸方を左右に並べるので
はなく、横・縦に並べたものです。
こうすることで、数種類に分かれた財務諸表がたった1枚で一望でき
るようになります。
それだけでは、ありません。ある科目についての期間中の動きがわか
るのです。
通常の財務諸表は、最終的な残高や1年間の総額しか表示されていな
いのに対し、マトリックス会計は、科目の組合せを表示しているためで
す。
たとえば、
現預金の欄をみれば、まさしく資金繰り表となっています。
借入金の欄をみれば、期中の新たな借入と返済が相殺されることなく
表示されています。
本来ありえない組合せの欄に数字が表示されていれば、それは異常仕
訳ですから、すぐに調べることもできます。
逆にいえば、仕訳の段階では存在した、せっかくの科目の組合せ情報
を、通常の財務諸表では全く削除して表示しているのです。
科目の組合せ情報も表示する、このマトリックス会計こそ、合理的な
形式だと考えるのです。
右左会計 | マトリックス会計 |
財務三表バラバラ | 財務四表が一体化 |
一覧性なく、専門家が必要(理解困難) | 一覧性があり、理解簡単。 |
相互関連性なし | 相互関連性あり |
科目の相互関係、仕訳時のみ | 借方貸方の相互関係保存 |
経営分析複雑 | 経営分析簡単 |
諸口可能 | 諸口不可能 |
学習複雑 | 学習簡単 |
すべての仕訳は見えない | すべての仕訳が見えている |
各表自体のまとまりはよい | 各表の要素は散らばっている |