税理士 名古屋市・名古屋のよねづ税理士事務所

損益分岐点分析の誤りやすい5つのポイント−名古屋 税理士/名古屋市の税理士事務所

損益分岐点分析の誤りやすい5つのポイント

 損益分岐点分析は、制度会計上の財務諸表分析ではわからない、儲けるために有効な方法です。

 この損益分岐点分析はかなり広く用いられていますが、その活用分析方法に誤りがよく見受けられます。

 せっかくの有効な分析方法も誤った使い方では役に立つどころか、かえって業績を悪化させることさえあります。

 そこでここでは、経営者が損益分岐点分析を活用するうえで誤りやすいポイントを挙げたいと思います。


1、 変動費と固定費を厳密に分ける?

 損益分岐点分析を行うために必要なことは、費用を変動費と固定費に分けることです。

 ここでよくやる誤りは、変動費と固定費をできるだけ完璧に分けようとして、無駄な時間と労力・費用を費やすことです。

 人件費は固定費ですが、そのうち残業代は変動費のはず。電気代も操業度が上がれば増えるから変動費の部分もあるな・・・

 そうすると、学者が分類するように、「準変動費」や「準固定費」という区分が増えて複雑になってしまいます。損益分岐点関連の本には大抵このような説明が堂々と載っています。

 しかしこれでは役立ちません。経営者が利用するためにはとにかくシンプルですぐ計算できなくてはならないのです。

 そのためには、変動費と固定費の分解は「費目法」、つまり科目によって分けるのが一番なのです。「準変動費」「準固定費」などというものは考えないことです。変動費でないものは固定費とするのです。

 明らかに変動費と固定費が混在している科目があれば、その場合には科目自体を2つに分ければいいのです。


2、外注費は変動費?

 費目法により費用を分ける場合でも、思い込みで分けてしまいがちです。よく学者の本では、「外注費は変動費」と書かれていますが、そうでしょうか。

 この製品を作るのに、社内では技術面や設備面の理由から必ずその外注先を通さなければならないということであれば変動費ですが、本来社内でできるのに人手が足りないことによる外注費は実質人件費です。
 人件費=固定費ですから、その場合の外注費は固定費なのです。

 材料費でさえも変動費でない場合もあります。あらかじめ購入する量が決まっている場合です。

 このような場合、生産量に応じて材料を投入していくわけではありませんから、変動費でなく固定費なのです。

 科目名にとらわれることなく、その費用の性質に着目して分けることが大切です。

 なお、固定費には入れてはいけない経費もあります。臨時的に発生する費用です。災害損失や貸倒れ、固定資産売却損などです。これら突然の予想外の経費は固定費に入れるべきではありません。


3、損益分岐点まで売上高を増やせばいい?


 通常、損益分岐点とは損益分岐点売上高を言いますが、損益分岐点売上高まで売上を上げれば赤字から脱却できると理解していませんか。

 はっきり言ってこれは間違いです。売上を増加させるために値引きして損益分岐点売上高を達成しても黒字にならないのです。

 なぜでしょうか。少し考えればわかりますが、損益分岐点売上高は、現在の限界利益率(わかりにくいため「粗利益率」と表示します)のままで売上をどれだけ増やせばいいかを表しているのです。
 値引きすれば粗利益率が下がるため、損益分岐点売上高はさらに上がることになるのです。

 この間違いの原因は、会計には数量の概念がないことにあります。
 西順一郎氏は「企業方程式」(PQ=VQ+F+G)を考案され、その中で売上をP(売上単価)×Q(数量)に分解されています。数量の概念を入れると、損益分岐点売上高とは今の売上単価のままで数量を増やして達成すべき売上高である(変動単価が変わらない場合)、という正しい理解ができるのです。


4、粗利益率を上げればいい?


 損益分岐点を下げるために、何とか粗利益率を上げようとします。売上単価を上げるか、変動単価を下げようとします。

 もちろんこの方法もひとつです。しかし、粗利益率を上げることに固執する必要はないのです。要は、粗利益額を固定費以上に増やすことが大切なのです。
 粗利益率を落としてでも粗利益額を増やすという選択肢もあるのです。


5、固定費を下げればいい?

 固定費を下げれば利益が出ます。これは大変わかりやすいですが、ちょっと待って下さい。

 固定費の中には減らすべきものだけでなく、積極的に増やすべきものもあるのです。
 広告費や教育費、研究費などで「戦略費」と呼ばれるものです。これらの固定費は、売上を伸ばすためや会社を強くするためには欠かせないものです。

 当然ただお金をかければいいものではなく、費用と効果のバランスを考えながら実施すべきものですが、これらをやらずにただ固定費を削減することばかりしていると、縮小均衡になって会社が衰退していくことになります。 固定費はパワーという一面もあるのです。


最後に

 利益を増やすためには、売上を増加し固定費を削減するしかない、という間違った考えを捨てていただきたいと思います。

 損益分岐点分析の本質は、粗利益額と固定費のバランスです。
 売上単価、変動単価、数量、固定費のそれぞれをどう増減させて結果的に利益を最大化するかの戦略を考えるのが経営者の仕事ではないでしょうか。
税理士 名古屋市・名古屋の税理士事務所
SEO対策 CRANEI
SEO対策 KEN SEO 勉強会
SEO対策 KenNavi