損益分岐点は、売上高だけではない!
戦略MQ会計における損益分岐点は、売上高だけではありません。
企業方程式 PQ=VQ+F+G
で
G=0円
とすればいいわけですから、さまざまな変形が可能になります。
P0(損益分岐売価)公式
P0公式は、ある条件下での損益分岐売価を求めるための公式です。
P0=(VQ+F)/Q=V+F/Q
たとえば、V5000円の商品を仕入れてQ800個売るとしましょう。
固定費は、今月2000,000円かかると見込んでいます。
損失を出さないためには、最低何円の価格で商品を売らなければならないでしょう。
P0=5000円+2,000,000円/800個=7,500円
となります。
V0(損益分岐変動単価)公式
同様に
V0=(PQ−F)/Q=P−F/Q
たとえば、上の例で売価7,000円に値引きして800個売る場合、どれだけ仕入単価を下げることが必要になるのでしょうか。
V0=7,000円−2,000,000円/800個=4,500円
となります。
Q0(損益分岐売上数量)公式
Q0=F/(P−V)=F/M
たとえば、上の例で売価を下げて7,000円で売ることを検討しているとします。赤字を出さないためには、最低何個売る必要があるでしょう。
Q0=2,000,000円/(7,000円−5,000円)=1,000個
となり、上の例よりも200個余分に売らなければならないことになります。
このほかにも、
F0(損益分岐固定費)公式
F0=PQ−VQ=(P−V)×Q=MQ
M0(損益分岐付加価値単価)公式
M0=F/Q
の公式が導かれます。
このように、戦略MQ会計では、損益分岐点売上高だけではなく、さまざまな損益分岐点を算出することが可能になっています。
(参考:西順一郎、藤井義信「人事屋が書いた経理の本2」ソーテック社)